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【自儘な自論 5】
 キヤノンの零落ぶりをきっかけに、大胆にも日本経済を考察してみる
政権が、ハチャメチャだった民主党から自民党へ移行して半年が過ぎました。
そして、その期待感だけが先行して株価が上がりしたり円安が進んだりして、「景気回復の兆しか」という観測がなされています。
でも、政権や政策がちょっと変わっただけでは、そんなに大きな変化はないとボクは思っていました。
実際に、新聞に投稿して掲載になった自論のとおり生活必需品が値上がりしていますし、先週半ばくらいから株価は激しく乱高下しています。

そもそも、政権や政策って、経済にそんなに影響をもたらすものなのでしょうか。
ボクは、経済っていうのは「企業がモノを売ってなんぼ」なんであって、政策をちょっといじくったくらいで、どうにかなるモノじゃないと思うのです。
要するに、モノが売れるか売れないかであり、今は「モノが売れない」という単純なことなのではないかと思うのです。

では、「なぜ売れないか」といえば、「キヤノンのように製品もダメならユーザーサポートもダメ」な企業とモノが多いからだと思うのです。
「日本は技術大国」と言われていますが、技術は然りとしても、技術を生かす製品づくりにおいて、さらに、技術の類ではフォローできないユーザーサポートにおいても、これまでは「使う側」のことにきちんと思いを馳せていたからこそ、日本製品は信頼されていたのだと思います。
すなわち、「使う側」の立場で精密な製品をつくり、「使っている側」への丁寧なサポートがあったればこその「技術大国ニッポン」であり、これこそが「技術大国ニッポンの原点」なのだと思うのです。
しかし、キヤノンの零落沈淪ぶりが象徴するように、「使う側」ではなく「企業本位」で製品をつくり、「使っている側」ではなく「企業基準」によるユーザーサポートでしかないから信頼と信用を失い、そして売れなくなっているのだと思うのです。

かつて、キヤノン製品には「技術大国ニッポン」を代表するような、絶大な信頼と信用がありました。
しかし、今は信頼や信用は全く失われ、尾羽打ち枯らして落魄し、逼塞の道を辿っています。
「技術大国ニッポン」を象徴するような企業が、この有様ですから、どんな立派な経済政策を施しても、日本経済が好転することはないと思うのです。
失った信頼と信用を回復するには厳しい辛苦があるでしょうが、多くの企業が「使う側本位」という「技術大国ニッポンの原点」に戻ることこそが、日本経済の回復と、日本社会の再生への鍵になると、ボクは思うのです。



<キヤノン零落の主観的事訳>
こんなふうに、まともとに出力できません
事の始まりは、それまで使っていたプリンターが今年はじめに「インク吸収体がいっぱいになりそう」というメッセージが出始め、「MG6330」というキヤノンのプリンタに買い換えたことです。
このMG6330というプリンタは、背面給紙がなくなりカセット給紙だけしかありません。
カセット給紙だけだと、ボクがいつも使っている写真光沢紙はちゃんと給紙できるか一抹の不安がありましたが、そのときの説明では「一般的に販売されている用紙ならOK」ということでした。
しかし、使ってみたら、やっぱり給紙エラーがおきてしまいました。
なんと、用紙が重なって送られてしまうのです。
ぴったり重なって送られるのではなく、1枚目の途中から2枚目が重なるので、まったく使えないモノがプリントされるということです。
しかも、用紙が2枚も無駄になり、インクも余計に消耗します。

そこで、カスタマーセンターに連絡をすると、「純正用紙でエラーが起きるか試せ」と言うのですが、キヤノンの純正用紙は発色や色彩コントラストなど全くダメな代物であり、糞尿か吐瀉物みたいな汚物と変わらないので、ボクは持っていません。
そしたら、「タダで診てやっから、送料負担で送ってよこせ」という旨を言い張ります。
いや、しかし。
購入して日にちを置かない欠陥品を送るのに、使う側が負担しなければならないのか、非常に腹が立ち、そのことを追求すると「純正用紙でエラーが起きない限り、欠陥品ではない。買っちまったテメエが悪いんじゃい、ボケ!」というようなこと(まあ、一部は脚色。でも、こんなふうに受け取れる論旨)を言い放ってしまいました。

でも、さあ。
一般的で販売されている用紙でも使える」と言って説明して売っているのですから、ふつうに売っている用紙でエラーを起こしたら、使う側からすれば、やっぱり欠陥品なのです。
「一般の用紙でも使える」と言って売っておいて、エラーが見つかってから「純正用紙以外でのエラーは欠陥品ではない」なんて言い張るのは、まさに、サギフェストを掲げて国民を騙した民主党と同じです。
それに、同じ用紙をエプソンのプリンタで使ったら、何の問題もなく、当たり前のようにプリントできるのです。
ということは、やっぱりMG6330は欠陥品ということです。

あと、このMG6330というプリンタは、使い勝手も最悪です。
スイッチの位置と構造が悪く、蓋を開けるたびに触れてしまい、誤作動が起きたり電源がオフになったりしてしまいます。
こんな、ほんと、糞尿か吐瀉物以下の製品を、よくぞ作ったものだと感嘆します。

しかも!
カスタマーセンターに突っ込んで追求していったら、質した内容に対して誠意の欠片もない回答に終始するばかりか、質した内容の答えにもなっていない回答の連続です。
そして、回答していないのに「回答した」と言い出す始末だし、果ては、「もう回答したくない」と勝手なことをホザいて打ち切ろうとしてしまいます。
ボクも、ときどき、企業の不祥事についての取材や謝罪会見の撮影に行くことがありますが、こういう場って、たいがい、企業側はライターや記者からの鋭い突っ込みの質問には答えることができずに、途中で取材や会見を勝手に打ち切ってしまいます。
「もう回答したくない」とホザいて勝手に回答を打ち切ろうとするなんて、なんか、そんな場面を見るような思いです。

要するに、キヤノンという企業は、
 (1)一般的に販売されている用紙では給紙エラーが起きてしまう欠陥品にも関わらず、
 (2)「一般的に販売されている用紙は使える」と詐偽で瞞着な説明によってプリンタを売りつけ、
 (3)「エラーが出る」と質せば、「純正用紙でエラーがなければ欠陥品ではない」と空嘯き、
 (4)果ては「糞尿や吐瀉物なみの純正用紙を使え(=糞尿や吐瀉物を食え)」と強要し、
 (5)さらには「買ってすぐでも点検してほしけりゃ、送料負担で送ってよこせ」と強請し、
 (6)頓珍漢で頓馬で、誠実さのかけらもない回答に終始し、
 (7)加えて、回答がないにもかかわらず「回答した」と嘘偽りを繰り返し述べ続け
 (8)不祥事の取材や謝罪会見のように、妄動的暴挙で質疑を勝手に打ち切ってしまう
という、まるで戦後闇市で商売しているような、今どきの日本企業として考えられない着意と所為であり、「使う側」にはまったく配慮することなく、「企業本位」「企業基準」でモノをつくり販売しユーザーサポートをしているということです。



<キヤノン零落の客観的典拠>
デジタルカメラブランプリ2013
キヤノンは写真のプロにも販売のプロにも選んでもらえません
カメラのレビュー記事を多く書かれている写真家と、カメラを販売しているヨドバシカメラやビックカメラなどの販売店という「カメラを選ぶプロ」が審査員委員を務める「デジタルカメラグランプリ」があり、今年も受賞商品が発表になりました。
なんと、その「デジタルカメラグランプリ」で、キヤノンのカメラはまったく上位に入っていません
ニコンは総合金賞を受賞しているのに、キヤノンはカメラメーカーのくせに家電メーカーにさえ惨敗です。
惨めです。憐れです。

デジタル一眼レフの総合金賞は、ニコンのD7100
たとえば、デジタル一眼レフの総合金賞はニコン「D7100」ですし、ミラーレス一眼の総合金賞はパナソニック「LUMIX DMC−GF6」です。
それに、たとえば、デジタルカメラで一番多く買われるであろうコンパクトカメラ部門では、ソニー「Cyber−shot」が金賞で、銀賞がフジフィルム「FinePix」、銅賞がニコン「COOLPIX」と続き、キヤノンは入賞すらできず惨敗です。
街中で撮影している人たちのほとんどといっていいくらい、ソニーのコンパクトカメラを見かけますし、キヤノンのコンパクトカメラを使っている人を見かけることは、まずないのですから、「ソニーのカメラが売れて、キヤノンのカメラは売れていない」ということであり、「キヤノンは、使う側の支持をまったく得られていない」ということの表れです。

そして、ミラーレス一眼ではパナソニック、ソニー、オリンパスと先行メーカーが上位で、キヤノン製は一機種のみがお情けで銅賞に入る程度です。
デジタル一眼レフのフルサイズセンサーモデルでも、ニコン「D800」が金賞に輝き、キヤノン「EOS 5D Mark3」は銀賞でも、銅賞にニコン「D800E]が入ってきてキヤノンは大敗です。
それに、実勢価格でも、「D800」が25万円なのに対し、「5D Mark3」は30万円弱と価格でも負けています。
優れている機種が安く、ダメな機種が高い」という、なんとも不合理な状況です。

審査委員特別大賞という陵辱的な賞を受賞
しかも、「EOS Kiss」が、審査委員特別大賞というのは笑止です。
審査委員特別大賞って、「何もあげるものがないから、あげなきゃ」というような同情的なもので、見方によっては、侮蔑的というか陵辱的な賞だと思うんです。
だって、ミラーレス一眼が流行っていて「EOS Kiss」と同じカテゴリーの機種って、ほかのメーカーでは出してないじゃないですか。
きっと、おそらく、
「キヤノンは何も賞がないと可哀想だけど、キヤノンは賞にふさわしい製品がないしなあ」
「それじゃあ、キヤノンしか出していないカテゴリの中からEOS Kissを選ぶってことで」
「では、それを審査委員特別大賞って大々的な名称にして、憐れみを薄めてあげましょうね」
っていう話合いが審査委員の皆さんがあった末の審査委員特別大賞なのではないかと想像してしまいます。

けっきょく、キヤノンはニコンに大敗して、まさに一敗地に塗れ、流行のミラーレス一眼でパナソニックに、コンパクトカメラではソニーというように、カメラメーカーであるはずなのに家電メーカーに追い越されたということです。
すなわち、キヤノンのプリンタは欠陥品であるということに加え、「本丸のカメラでも、写真家と販売店からの支持をまったく得られていない」という無様で醜悪な結果が、この「デジタルカメラブランプリ2013」で明確になったということです。

「ファインダー出来る限り精巣」って・・・・
そうそう。
それと、こんなふうに修理伝票で「清掃」と書くところに「精巣」と病気持ちのようなことをやらかしちゃうのも、キヤノンの零落ぶりを象徴していると思います。

(2013年5月28日 記)


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By;Osamu Hasegawa